メラトニンの発見は、46年前までさかのぼります。
1958年にアメリカのエール大学の研究者、ラーナー氏とその仲間達が
ウシの松果体からメラトニンを抽出し、その構造を明らかにしました。
松果体は、人の場合、脳の根元近くにある小さな内分泌臓器で、
松果体そのものの存在は、2000年以上昔から知られており、
その機能に関するいろいろな学説が古代ギリシアの記録に残っています。
メラトニンは、その化学構造からエヌアセチル5メトキシトリプタミンと呼ばれます。
メラトニンという名は、メラトニンがメラニン細胞のメラニン色素を薄くする作用が
あることから付けられたニックネームのようなものです。
エヌアセチル5メトキシトリプタミンよりも、メラトニンという名のほうが
覚えやすくていいですね。
メラトニンの主な働きは、体内時計の調節です。
体内では夜になると松果体から昼間よりもたくさんのメラトニンが分泌されます。
また、日周の体内時計だけでなく、季節にかかわる年周の体内時計の調節も
しているのではないか、といわれています。
松果体は、脳の下垂体や目の網膜と連動していて、朝、目から入る日の光や、
他のホルモンや神経伝達物質のバランスに反応して、メラトニンの分泌量を
調節しているようです。以上の作用から、メラトニンは時差ボケや不眠に効果があると
言われてきました。
そして、最近話題になっているのが、メラトニンの若返りの効果です。
つまり加齢に関しても体内に時計が存在していて、メラトニンがその加齢時計を
調節しているのではないか、という仮説に基づいた考えです。
実際、ラットの実験では、メラトニンを毎日注射されたラットが通常の寿命の2倍も
長生きしたという結果がでた、という報告があります。
しかし、現在のところ、加齢のメカニズム自体がはっきりとわかっていない、
というのが正直なところなので、この説がどこまで本当かは、まだわかっていません。
現在、加齢とメラトニンの関係について、はっきりとわかっていることは、
この長生きしたラットの結果と、年齢とともにメラトニンの分泌量が
下がってくることの2点です。
メラトニンが若返りに対してどこまで有効なのかは、現在も科学者達が
研究を続けている課題です。
メラトニンに関する研究報告は、1週間に10個以上あると言われており、
サプルメントの中でも最も注目度の高いもののひとつであると言えます。
それだけ将来を期待されているものですし、そのうち正式に薬として
登場することもあるかもしれません。
メラトニンはアメリカで販売されているサプリメントですので、インターネット等で、
輸入代行業者から買うことができます。
その他の働きとして、性欲低下、生殖機能低下、免疫能の向上、ガン細胞抑制、
老人ボケの予防、深部体温の低下がある、という研究報告もあります。
副作用として、頭痛、悪夢、朝の疲労感、軽いうつ症状、性欲低下が認められた、
という報告もあります。
現在お薬を飲まれている方や、これらの副作用が気になる方は慎重に服用するようにしましょう。
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