「お肌の、年齢とともに足りなくなったコラーゲンを、塗るだけで補ってくれる・・・。」こんなキャッチフレーズも魅力的ですよね。でもこれも本当でしょうか。
皮膚には外界からの異物を排除して体を守る、バリア機能がもともとあります。
それによってほこりや、ばい菌が勝手に進入しないのです。
そして皮膚は表皮・角質が物理的にも壁を作っていますので、脂溶性の物質には吸収されるものもありますが、水溶性の成分であるコラーゲンは吸収されません。
そして、化粧品に配合されているコラーゲンは牛のたんぱく質、ゼラチンです。
もしもこれが表皮を突き破り、皮膚の奥に入ってしまったらアレルギーが起きるはずです。
注入用のコラーゲンはアレルギーの起こりにくい処理がされており無菌的に作られていますので、値段も高価で、肌に塗るには高すぎます。
1回分の量でも数万円してしまいます。
ではコラーゲンを塗ることは、肌に全く効果がないのかといいますと、保湿効果はあります。
コラーゲンは水分を保持する作用がありますので、尿素などのように、肌をしっとりさせる効果はあるのです。
なお、ヒアルロン酸も同様の物質です。
ところで、保湿を十分することは、真皮の線維芽細胞の働きを促進し、結果としてコラーゲン線維を作りやすい環境にします。
ですから「皮膚のコラーゲンを補う」というのも決してウソではありません。
ただしCMや通販番組などでの、「足りないコラーゲンを直接補ってしまう」や「お肌にコラーゲンが入っていく感じ!!」という表現はどうかと思いますが・・・。
|