レチノールとはビタミンAのことです。
ビタミンAと言えば、 古くは夜盲症(暗いところで視力が低下する症状)の
原因と知られていました。 昔は「八目うなぎ」が夜盲症に良いとして
薬代わりに食べたものですが、 これは八目うなぎにはビタミンAが
多く含まれていることから実証されています。
ところでこのビタミンAを皮膚に塗った場合の効果は少し異なり、
外用では、「皮膚の角化を正常にする」という効果があるのです。
皮膚の角化の異常としては、大きく分けて下記の3つが知られています。
・早すぎる・・・角化症の病気
・毛穴周囲の角化が亢進・・・にきび
・遅い・・・主に老化現象
このなかの「にきび」に対して、
かつてアメリカで処方薬としてビタミンAが使われ始めた際に、
しみやしわが薄くなる患者さんが多くいたことから、
アンチエイジング目的の外用が研究され、 その効果が認められるように
なりました。
こうしてビタミンAは外用剤として角化症やにきび以外にも
小じわやたるみ対策として重宝されるようになったのです。
レチノールとはビタミンAの総称ですが、 詳しくは
いろいろな誘導体があります。 そしてその中では
オールトランスレチノイン酸(トレチノイン、とも呼びます)
が最も効果が高く、一般のレチノールの100倍の強さです。
美容クリニックなどの医療機関ではこのトレチノインを処方しています。
市販の化粧品に配合されているのは、これに比べますと非常に弱い
作用ですので、 目的に合わせてお選びになると良いでしょう。
処方についてはこちらもご参考にしてください。 |