ステロイドが一時期「悪の薬」と言われていたころがありました。
マスコミ等で「アトピー性皮膚炎」に対して『ステロイド離脱療法』が
正しい治療として紹介されると、
いったんステロイド漬けになった状態から抜け出さないと
一生アトピーは治らない、とか副作用で体がボロボロになる、という
誤った情報が氾濫したためです。
さすがに今はそのようなステロイドバッシングは減りました。
しかし未だにステロイドによる治療を拒否する患者さんもいますし、
アトピービジネスと呼ばれる医学的根拠のない治療を行う団体も残っています。
でもステロイドは、一番よく使われている、効果的な抗炎症剤です。
定期的に状態を観察しながら適切な使用をすることは大切ですが
それほど難しいことではありません。
特に外用剤ではランクというものがあり、きちんとした皮膚科では適切なランクのものを処方してくれるはずです。
ランクの例
strongest(最も強い)・・・ひどいかぶれや、皮膚の厚い箇所への外用
デルモベートなど
very strong(結構強い)
マイザー、リンデロンDP、メサデルム、アンテベートなど
strong(強め)
リンデロンV、リンデロンVGなど
mild(中くらい)・・・顔など皮膚の薄い箇所への外用
ロコイドなど
weak(弱い)
実際はあまり使用されていません |
顔などの皮膚の薄いところに、strong以上のものを長期連用すると
副作用(皮膚が薄くなるなど)が現れると言われています。
通常は顔はmildランク、また1回につき2週間くらいまでの外用なら(1日2〜3回)、問題ありません。
いったん症状が落ち着いたら数日以上のお休みを入れます。
そしてお休みの期間もきちんと保湿剤など皮膚を保護するスキンケアも行うことが
大切ですね。
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